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大阪地方裁判所 昭和44年(わ)4001号 判決

主文

被告人両名はいずれも無罪。

理由

第一本件公訴事実

被告人両名は、昭和四四年一〇月三一日、国鉄労働組合(以下国労と略称する)および動力車労働組合(以下動労と略称する)によるEL、DL機関助士廃止反対闘争に参加したものであるが、

一、革マル派の学生約五〇名が、大阪府公安委員会の許可を受けないで、同日午後八時四九分ごろから同午後八時五五分ごろまでの間、大阪市北区大深町無番地国鉄共済組合大阪保養所前から大阪駅汽缶室前交さ点に至る間の車道上において、五列縦隊となつてスクラムを組み、反覆してジグザグ行進を行なつた際、共謀のうえ、右学生隊列の先頭列外に位置し、列員の肩に手をかけて引張り、或いは押すなどしながら、笛を吹き鳴らして右ジグザグ行進を終始指揮し、もつて右無許可集団示威行進を指揮し

二、約五〇名の学生と共謀のうえ、大阪府曾根崎警察署長の許可を受けないで、前記日時場所において、一般交通に著しく影響を及ぼすような集団示威行進を行ない、もつて無許可で道路を使用したものである。

そして、被告人両名の前記一の各行為は、いずれも昭和二三年大阪市条例第七七号「行進及び集団示威運動に関する条例」(以下市条例と略称する。)第五条、第一条、刑法第六〇条に、前記二の各所為は、いずれも道路交通法第七七条第一項第四号、第一一九条第一項第一二号、大阪府道路交通規則(以下府規則と略称する)第一五条第三号、刑法第六〇条にそらぞれ該当する。

第二当裁判所の判断

一、市条例違反の点(前記第一の一記載の訴因)についての無罪理由

1  〈証拠・略〉を総合すると、前記公訴事実中冒頭部分および第一の一記載の事実はすべてこれを認めることができる。

2  しかしながら、以下に述べる理由により、被告人両名が前記無許可集団示威行進(以下本件デモと略称する。)を指揮したことは結局において可罰的違法性を欠き、市条例第五条、第一条の構成要件に該当しない。

すなわち、憲法第二一条の保障する言論、出版その他一切の表現の自由は、単に侵すことのできない永久の権利として国民に与えめれた基本的人権の一つであるにとどまらず、憲法の保障する自由権の中でも民主主義社会の根幹に位置する権利として、憲法上最大限に尊重されねばならない。そして、集団行進乃至集団示威運動(以下これらを「集団的行動」という。)が右の如き意味で自由を保障された思想表現の一形態であることは言うまでもないところであり、とりわけ現代社会において、大部分の民衆は、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ等のマス・メディアの利用について極めて困難な状況下におかれ、その利用から事実上排除されているに等しく、又、代議制民主主義の理想が必ずしも十分に定着しえていない今日の社会状況の下では、民衆が自らの意思、主張、思想を伝達する方法として、集団的行動は極めて重要な意義を有するものといわねばならない。

もとより、集団的行動が時として公衆の生命、身体、自由、財産に対し直接危害を及ぼすような事態に立ち至る危険が全くありえないわけではないけれども、しかし、そうした事態は、多くの場合、様々の複雑な諸要因によつて惹起されるのであつて、常にあらゆる集団的行動自体に、本質的に、時に昂奮、激昂の渦中に巻きこまれ、甚しい場合には一瞬にして暴徒と化し、勢の赴くところ実力によつて法と秩序を蹂し、集団的行動の指導者はもちろん警察力をもつてしても如何ともし得ないような事態に発展する危険性が存在するものと断定することは出来ないものといわなければならない。

かような思想表現の一形態である集団的行動の性質および機能、ならびにその自由の基本的人権としての重要性に着目するとともに、一方街路における集団的行動を規制する市条例の立法趣旨が、市条例第四条一項、第三項の規定の内容に照らして明らかなように、集団的行動が公共の安全に差迫つた危険を及ぼすことを防止し、群集の無秩序又は暴行から一般公衆を保護し、他方公共の静ひつを保持することにあることに鑑みるならば、たとえ公安委員会の事前の許可を得ることなく行われた集団示威運動を指揮したとしても、当該集団示威運動が、その目的、規模、態様、行なわれた日時、場所および周辺の状況等に照らし、地方公共の安全を害し、一般公衆の生命、身体、自由、財産に対し直接且明白な危険を及ぼすと認めらるものでないかぎりは、その可罰的違法性は否定され、市条例第五条、第一条による処罰の対象からはずされるものといわなければならない。

3  そこで、右の観点から被告人両名が、本件デモを指揮したことが市条例第五条、第一条によつて処罰すべき程度の可罰的違法性を有していたか否かにつき、仔細に検討すると、〈証拠・略〉によると以下の事実を認めることができる。

被告人両名を含む学生らの集団は、昭和四四年一〇月三一日に行われた国労および動労によるEL、DL機関助士廃止反対闘争に独自の支援行動をすべく、同日夜、同市北区梅田町所在の国鉄大阪駅近辺に参集し、同日午後八時二〇分ごろ同駅北側の東西に通ずる市道梅田海老江線に面する大阪鉄道管理局南側歩道付近での国労、動労の闘争を支援する総評の集会に参加しようとしたが、余りに参集者が多く集会場からあふれる状況であつたので、間もなく隊列を組んで同市北区大深町無番地所在の宮原電車区大阪派出所前路上(この道路は、梅田海老江線の大阪鉄道管理局西方の丁字型交差点より北上するもの)へ向い、同日午後八時二七分ごろ同派出所前入口よりやや南側の車道上に到着停止した。この間、被告人らの集団は、約四、五〇名になつていたが、同所で、南向きに、四、五列縦隊になつてスクラムを組み、約二〇分間にわたり、同派出所出入口付近に集まつていた国労、動労の組合員に対し、闘争を支援する趣旨のシュプレヒコールやアジ演説をなし、ついで、同日午後八時四九分ごろ、被告人宮本の笛の合図で、四、五列の隊列のままスクラムを組み、被告人両名の笛の合図で先づ南向きからUターンして北向きに出発し、蛇行しつつ二、三メートルほど北上して国鉄共済組合大阪ストアーの北寄りに至り、再びUターンして車道上を蛇行して南進し、同日午後八時五五分ごろ、前記梅田海老江線との交差点の北端の手前付近まで進行したところ、警察官に規制され、被告人両名が逮捕されたものであつて、本件デモは、その規模約四、五〇名、時間にして約六分間、距離は延べ約一四五メートルないし約一七〇メートルにすぎなかつた(第四回公判調書中証人佐々木英碩の供述部分によれば、被告人早瀬の逮捕された地点は、前記梅田海老江線との交差点の東北角の所であり、第五回公判調書中証人滝沢貞雄の供述部分によれば、被告人宮本の逮捕された地点は、右交差点の北端より二、三メートルほど北に寄つた所であるのに対し、当裁判所の検証調書中の被告人宮本の指示説明部分によると、右交差点の北端より北へ一九メートルの地点で同人が逮捕され、被告人早瀬の指示説明部分によれば、同人は被告人宮本が逮捕されたという右の地点より更に北へ6.5メートルの所で逮捕されたことになり、かなりのくいちがいがみられ、被告人両名がどの地点で逮捕されたのか、したがつて本件デモがどの地点まで継続していたのかは正確には確定しがたいが、長く見積つても本件デモの行進距離は約一七〇メートルをこえていないものといえる。又右規制がなければ、本件デモが右交差点に進入し、或いは右梅田海老江線の道路上で継続される予定であつたものとは認められない。)さらに本件デモは、その参加者の約半数がヘルメットを着用していただけで、他に携行している物はなく、右行進は被告人両名の笛の合図で歩調をとりシュプレヒコールを行ないながら、普通の歩行速度の半分位の速度でゆつくりと蛇行して進んだにとどまり、その間前記隊列は全然くずれておらず、整然と統制されていてデモ集団自体には格別の混乱もみられなかつた。本件デモが行なわれた道路は、夜間でも車両、歩行者の通行のある道路であるが、後記第二、二、3で詳述するように、右梅田海老江線上の車両ならびに歩行者の交通がかなりひん繁であるのに比べれば、遙かに交通量が少なく、通行する車両や歩行者に対し直接危害の及ぶおそれはない。又、周辺の状況としては、当日国労、動労によるEL、DL機関助士廃止反対闘争として大阪駅を拠点とするストライキが予定されていたが、本件デモ当時、格別に大阪駅周辺の秩序が乱れ、本件デモがきつかけとなつて一般公衆に対し直接危険が及ぶような不穏な状況下にはなかつたし、そのころ、前記のごとく、大阪鉄道管理局南側歩道上で組合員約一、〇〇〇名が集まつて集会を開いていた最中であつたけれども、本来デモの規模からみても、また、右集会場からは本件デモを見とおすことは不可能であつたことからみても、現実に右集会参加者に対して格別の刺激、煽動を与えることはほとんどありえない状況であつた。又前記宮原電車区大阪派出所前には国労や動労の組合合員約一〇〇名が集まつていたけれども、その状況は平穏で、激しいトラブルは全くなく、これらの国労や動労の組合員たちは、本件デモのためにこれといつた影響を受けることはなかつた。

4、以上の認定事実に基づき、本件デモの目的、規模、態様、行なわれた日時、場所、周辺の状況等諸般の事情を総合して判断すれば、本件デモが地方公共の安全を害し、一般公衆の生命、身体、自由、財産に対し直接且明白な危険を及ぼすものとは到底認められない。

してみると、被告人両名が本件デモを指揮した所為は、いずれも市条例第五条、第一条によつて処罰する程度の可罰的違法性を有していたものとは認めがたく、結局その犯罪構成要件に該当するものということはできない。

5、ところで本件で問題となつた市条例は、集団的行動の規制方法として、事前の許可制をとつているが、許可を要する集団的行動の対象は、車馬又は徒歩で行列を行ない、街路を占拠又は行進することによって他人の個人的権利又は街路の使用を排除、若しくは妨害するに至るべきものとされているのみで、目的、規模、態様、日時、場所等によつて特定されているわけではなく、一般的抽象的に定められているにすぎないこと、許可申請に対し許否を決する公安委員会の許可基準についても、単に公共の安全に差迫つた危険を及ぼすことが明らかである場合の外はこれを許可しなければならないと抽象的に規定するのみで、具体性を欠き不明確であること、公安委員会が当該集団的行動の行なわれる日時までに許否の処分を留保した場合の救済方法のないこと、無許可の集団的行動が平穏に行われた場合においてでも、単に無許可ということのみによつて指揮者に刑罰を科することが出来ること等の諸点に鑑みるとき、市条例のうち、無許可の集団的行動を処罰する規定は、本来基本的人権の中でもその根幹たる地位を占める思想の表現行為の一形態としてその自由が最大限に尊重されなければならない集団的行動に対する規制方法として、果して合理的な必要最少限度のやむをえない制約といいうるかどうかは十分検討の余地あるところであり、弁護人もその違憲を主張する。

しかしながら本件デモを指揮した被告人両名の所為は前記説示のとおり結局において市条例第五条、第一条を適用する余地のない事例であるから、敢えてこの点についての判断はしないこととする。

二、道路交通法違反の点(前記第一の二の記載の訴因)についての無罪理由

1  前掲各証拠および司法警察員田丸実隆作成の「道路使用許可申請の有無についての復命書」と題する書面によれば、被告人両名が、約四、五〇名の学生らと共謀のうえ、大阪府曾根崎警察署長の許可を受けないで、前記第一の一記載の日時場所において、集団示威行進を行つて道路を使用したことが認められる。

2  しかしながら、以下に述べる理由により、被告人両名が右無許可集団示威行進を行なつて道路を使用したことは、結局において、道路交通法第一一九条第一項第一二号、第七七条第一項第四号、府規則第一五条第三号、刑法第六〇条の構成要件に該当しない。

道路交通法第七七条第一項はその第一号ないし第三号において道路使用について所轄警察署長の許可を要する諸行為を掲げ、さらに同第四号において「前各号に掲げるもののほか、道路において祭礼行事をし、又はロケーションをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で、公安委員会が、その土地の道路又は交通の状況により、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者」も所轄警察署長の許可を受けなければならない旨を定め、この委任を受けて府規則第一五条はその第三号において道路における集団行進を所轄警察署長の許可を要する事項と規定している。そこで、右規則の文言自体からすると、道路における集団行進(集団示威行進を含む。以下同じ。)はすべてあらかじめ所轄警察署長の許可を要する行為であるかのようにみえるが、ここでいう集団行進とは次に述べる理由により、およそ集団行進のすべてを意味するのではなく、一般交通に著しい影響を及ぼすような集団行進と限定的に解釈されなければならない。

すなわち、道路交通法第七七条第一項第四号によつて公安委員会に委任された要許可事項の範囲が無制限ではなく、同号にいう「一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為」の範囲内に限定されていることは、右規定の文言上明白であるのみならず、旧道路交通取締法第二六条において所轄警察署長の要許可事項として法文上公安委員会規則に委任された事項が無限定であつたのに対し、これが現行道路交通法のように改正された立法経過に徴しても全く疑問がない。したがつて公安委員会が、道路交通法第七七条第一項第四号に基づき、要許可行為を定めた場合、必ずしもそれが定型的に、一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為でなく、なお一般交通に著しい影響を及ぼすことのない行為をも包含しているものと認められる場合には、これを一般交通に著しい影響を及ぼすものに限定して解釈しなければならない。ところで、集団行進という概念は、弁護人も指摘しているように、極めて包括的かつ網羅的であつて、これ自体からは定型的に一般交通に対する影響の程度をはつきりと判断することが困難であり、集団行進が大都市の交通量の極めて多い道路上で、多数集団によつて行なわれるような場合は、それが通常一般交通に著しい影響を及ぼすことは否定できないとしても、すべての集団行進が、その場所、規模、形態および方法を問わず、常に一般交通に著しい影響を及ぼすようなものであるとして、定型的に類型化されたものということはできず、したがつて、無許可集団行進を道路交通法違反の構成要件に該当するものとして処罰するためには、その集団行進が一般交通に著しい影響を及ぼすような行為であることを必要とするものといわなければならない。もとより、道路交通法は道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図ることを目的とするものであるから、ここにいう一般交通に及ぼす著しい影響とは、かような道路における交通秩序維持の見地から判断されるべきものであつて、公共の安全に対する差迫つた危険、換言すれば、公衆の生命、身体、自由および財産に対する直接の危険を防止するという観点から判断されるべきものではないけれども、前記第二、一、2に述べた思想表現の一形態である道路における集団的行動の性質および機能ならびにその自由の基本的人権としての重要性を考慮し、さらに道路交通法の立法趣旨が前記の如きものであるにもかかわらず、同法第七七条第一項第四号、第一一九条第一項第一二号、府規則第一五条第三号の規定が、市条例と同じく、道路における集団的行動に対する事前抑制として治安立法的に運用され時に濫用される危険をすら包蔵するものであることに思いをいたし、加えて道路における集団行進については、これを事前許可にかからしめてこれに条件を付する方法のほか、道路交通法第一〇条ないし第一三条、第一五条等によつてこれを規制することが認められていることを勘案するならば、右にいう一般交通に及ぼす著しい影響は、かなり高度なものを指すものと解さなければならない。

3  そこで、被告人両名が行なつた本件デモが、一般交通に著しい影響を及ぼすようなものであつたか否かについて判断するに、本件デモの目的、規模、態様、行なわれた日時、場所および周辺の状況等は前記に認定したとおりであるが、さらに、前掲各証拠によつて、本件当時の道路および交通の状況について検討すると、本件道路は、幹線道路ではなく、交通規制によつて自転車をのぞく車両については南行の一方通行となつており、その幅員は約8.4メートルないし8.7メートルであるが、西端寄りがガードレールで仕切られて歩道となつているため、車道の幅員は約6.6メートルないし6.7メートルであつて、歩車道の区別があり幅員もさほど狭くない道路としては、その交通はひん繁でなく、ことに本件デモ当時は、夜間であることからして交通量も少なく、本件デモの行なわれた約六分間に、右道路に南進してきた車両は、せいぜい五、六台ないし一〇台前後であり、うち三、四台ないし四、五台が本件デモのため、三〇秒ないし一分間一時停止しただけで、いずれの車両も本件デモの横を通行して南進していつたもので(第四回公判調書中証人佐々木英碩の供述部分によると、一〇台前後の車が通行し、四、五台が一分足らずの間停車し、他は本件デモの波の間隙をぬつてすりぬけており、第五回公判調書中中証人伊藤精の供述部分によれば、四、五台の車が一時停止もしくは三〇秒から一分とまつたのち南進しており、同調書中証人滝沢貞雄の供述部分によると、五、六台の車がばらばらに通行し、停車したのは三、四台である。)、右デモによつて車両の通行が格段阻害されたわけではなく、さらに当時、右道路を通行していた歩行者が、特に本件デモによつて交通を妨害された形跡もみとめられない。(ちなみに、当裁判所の検証調書によれば、本件デモが行なわれてから約一年半を経過したのちの、本件デモ当日と同じく月の末日で金曜日にあたる昭和四六年四月三〇日の午後八時三〇分から四〇分までの一〇分間の本件道路の交通量は、四輪車一六台(うち一台は同道路上に駐車)、単車一台、自転車北行二台、南行一台であり、同日午後八時五一分から同九時一分までの間の右交通量は、四輪車一四台、自転車北行二台、南行二台であつて、歩行者は西側のガードレール西側の歩道上を通る人もあり、東側の車道上を通行する人もいたという状況であつた。)

してみると、被告人両名が他四、五〇名の学生らとともに行なつた本件デモは、これによつて、一般交通にある程度の支障を及ぼしたことは、これを否定することができないけれども、その場所、規模、形態、方法等に照すと、未だ一般交通に著しい影響を及ぼすような行為とは認められず、したがつて被告人らの前記行為が、道路交通法第七七条第一項第四号、府規則第一五条第三号に違反し、所轄警察署長の許可なく、道路において一般交通に著しく影響を及ぼすような集団行進を行つたものに該当するものということはできない。

四、以上のとおり、被告人両名については、前記第一の一および二記載の市条例違反および道路交通法違反のいずれの訴因についても犯罪の証明がなかつたことになるので、被告人両名に対し、刑事訴訟法第三三六条後段により無罪の言渡をすべきものである。

そこで、主文のとおり判決する。

(石松竹雄 松本朝光 永井ユタカ)

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